共有結晶別冊・「萬解」(ばんかい)


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 詩は 開・ひら・拓 かれるのを待っている


「萬解」(ばんかい)表紙

書誌情報
ページ数: 60ページ, 初版発行: 2017/11/23, 印刷: オフセット, 2色刷り, サイズ:A5変形サイズ(短辺綴じ)(20 x 13 mm), イベント価格:600円

世の中では、たとえば恋愛を書いたものがほとんど自動的にヘテロな恋愛に読まれてしまうようです。 
でも、それはよく考えるとへんなことで、特に短歌や俳句では、もともとに、男とも女とも書いてなかったりするのです。 
百合だと思って読むこと、BLだと思って読むこと、ヘテロだと思って読むこと、恋愛ではないとおもって読むこと。
自分の経験や思想にたって解釈し、再構築するとき、詩はリアリティをもって読者の中にひらかれていきます。
そういう、読むことの面白さを、この本では追求しました。
  
この本では、ひとつの詩に複数の書き手が 思い思いの鑑賞文を添えています。
また、すばらしいイラストを4名の方に寄稿いただきました。
印刷はレトロ印刷さん、全ページ2色刷りで、眺めるだけでもたのしい本になっています。

広がる短詩の世界をお楽しみください。

 

頒布情報


 
pixiv Boothでの通販開始しました!(2017年11月29日)

内容

「はじめに」より抜粋
BL読み・百合読みというと「オーソドックスな読み」にBLや百合のバイアスをかける読み方、というイメージをもたれる向きもあるかもしれないが、BL読み・百合読みは恣意的にテキストをねじまげる読みではなく、あくまで解釈の可能性を広げる読みかただと私は考えている。BL読み・百合読みをしてみたことから、はじめて深く受け取れるものもきっとあるはずだ。

大学生のころ、英文学の詩の講義で「poetryとはテキストそのものではなく、テキストと読み手のあいだにたちあがるもののことだ」と教わって、それをずっと忘れられずにいる。

 表現において、発信する・つくることと同じくらい、読む・受け取るという営みは重要だ。私自身、短詩においては詠むよりも読むほうが好き、純粋に読み手として関わるほうが楽しいこともあり、鑑賞バトルを通して短詩の「読み」に焦点を合わせて遊べたこと、それがこうして本になったことはとてもうれしい。(柳川麻衣)

俳句鑑賞 百合俳句鑑賞バトル 2017年4月に実施された百合俳句鑑賞バトルの鑑賞文を完全収録。新たにBL読み鑑賞文を追加しました。
人形のだれにも抱かれ草の花
▼大木あまり 句集『雲の塔』(花神社、一九九三年)、長谷川櫂編『現代俳句の鑑賞101』(新書館、二〇〇一年)

▼鬼灯を裂く過ちの初めかな 
正木ゆう子 句集『羽羽』(春秋社、二〇一六年)

▼戯れの遺書は螢のことばかり
 小泉八重子 斎藤慎爾編『愛と死の夜想曲 二十世紀名句手帖―人事篇』(河出書房新社、二〇〇三年)

文字分量参考28_ページ_09
解説 俳句百合読み鑑賞バトルー百合解 聞こえてますか?
2017年4月に実施された百合俳句鑑賞バトルの選句者である西川火尖さんと松本てふこさん、バトル参加者のみやさとさんの3名によるツイキャスの文字起こしです。
各鑑賞文について、そして鑑賞文バトルについて。俳句を詠むひとの目線も入れつつ、改めて語ってもらいました。
文字分量参考28_ページ_21
短歌鑑賞  俳句だけでなく、短歌も鑑賞してみました。
そもそも共有結晶はBL短歌の同人誌です……ということで短歌の鑑賞文を新たに書下ろしてもらいました。
文体の異なる3名が同じ詩について鑑賞・解釈し言葉にするとどうなるか。正解のないあわいをお楽しみください。

▼恋というほかにないなら恋でいい 燃やした薔薇の灰の王国
山中千瀬『さよならうどん博士』(私家版、二〇一六年)

▼スプーンのかがやきそれにしたって裸であったことなどあったか君にも僕にも
瀬戸夏子 『かわいい海とかわいくない海 end.』(書肆侃侃房、二〇一六年)

▼一本の骨をかくしにゆく犬のうしろよりわれ枯草をゆく
寺山修司『空には本』(沖積舎 覆刻版、二〇〇三年)

文字分量参考28_ページ_36
イラスト  短歌の百合解凍イラストを4名のかたに描きおろしていただきました。

▼白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
若山牧水『若山牧水歌集』 (岩波書店、二〇〇四年)

▼いつの日のいづれの群れにも常にゐし一羽の鳩よ あなた、でしたか
光森裕樹『鈴を産むひばり』(港の人、二〇一〇年)

▼火星のプリンセスどんどんいなくなってく彼女の髪だけを切りたい
瀬戸夏子 「かわいい海とかわいくない海 end.」(書肆侃侃房、二〇一六年)

▼折り紙や布やビーズやセロファンで地獄のように散らかったベッド
山崎聡子『手のひらの花火』(短歌研究社、二〇一三年)

アートボード 1
読書について 「紙飛行機の話」  俳句があるじゃないか。
百合俳句鑑賞バトルの前身、BL俳句鑑賞バトルを企画されたみやさとさんに俳句について、言葉について、書いていただきました。
文字分量参考28_ページ_46

参加メンバー

編集・進行管理
平田有(ひらた ゆう)@eurekabird
穂崎円(ほさき まどか)@golden_wheat
柳川麻衣(やながわ まい)@asa_co

編集・表紙・誌面デザイン
砂漠谷(さばくたに)@NoKichStickHigh

執筆
あずみ(-)@azumi_kuritani
雨宮真由(あまみや まゆ)@amamiyamayu
石原ユキオ(いしはら -)@yukioi
佐々木紺(ささき こん)@sasaki.kongmail.com
西川火尖(にしかわ かせん)@nishikawaksn17
ネムカケス(-)@kakesunemu
はんぺんたなか(-)@hbB53C36fw
正井(まさい)@kelmscott_masai
松本てふこ(まつもと -)@tefcomatsumoto
マリモ(-)@marimouper
実駒(みこま)@mikoma_nfp
みやさと(-)@paststranger
merongree(めろんぐりー)@merongree
望月漣音(もちづき れんね)@Renne829
山中千瀬(やまなか ちせ)@bit_310

イラスト寄稿
ぐらむ(-)@gunzyou1
似子(にこ)@nico_penguin428
唐崎昭子(からさき あきこ)@bit_310
giiico(ぎぃこ)@write_ikhj

※敬称略・順不同