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【BL短歌鑑賞】つり革とお前しか揺れぬ始発には感情の殻がいくつも積もる(芦屋こみね)


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つり革とお前しか揺れぬ始発には感情の殻がいくつも積もる

大勢で朝まで呑んだ帰りだろうか。

ひとり、ふたりと朝もやのなか、それぞれの家路につく。
彼もまた友人であり想い人でもある男とともに帰るところである。

始発の電車に乗ると、男はすぐうとうととしはじめた。男の体温が身体の片側から伝わってくる。友であるが故の無防備さを彼は半ばあきらめつつも、振り子のように弱く揺れているつり革を見ていると、感情がばらばらになっていくような気がしてくる。

関係が変わることはない。ずっと良い友達のままかもしれない。でもそれでいい、と自分は言いきれない。……好き、嫌い、好き、嫌い……そうでもない。やっぱり好きかもしれない。

感情は幾重にも割れて彼のまわりにつもり積もっていく。

男への想いが消えるときは来るのだろうか。
電車の走る一定のリズムが二人の関係を物語っているようで、せつない。

短歌:芦屋こみね @urahara0811
文:平田有 @eyphkair2

http://hinemosu.hatenablog.com/entry/20130311/1380257969